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2007年7月23日 (月)

受信料裁判弁護側の主張

〈7月10日の口頭弁論で弁護団が主張した内容を以下、紹介します。内容を要約してと当初思いましたが、格調高い文章なので、主な部分を原文のまま引用することにしました。弁護団としては、この裁判を契機に、これまできちんと議論されてこなかった「受信料制度」や「公共放送」のあり方を問いなおそうという意図があり、主張内容も放送法の歴史や憲法との関わりなど格調高い言及が目立ちます。
 まず冒頭部分は、弁護団の反論を総括したような内容で、テーマ全体をコンパクトに紹 介したものといえます。以下、抜粋し引用します。
 以下、引用者のコメントは〈〉で示しますが、コメントが不正確だとか誤解を招くという点があれば今後、このサイトで訂正していくことにします〉

はじめに
 本件訴訟は、原告が、被告らに対して、それぞれ、数万円の支払を請求する訴訟である。
 原告の請求する金額だけを見ると、わずか数万円の少額訴訟である。
 しかし、本件訴訟には極めて重要な意義がある。
 なぜなら、本件訴訟は、日本国憲法にもとづく戦後改革の一環としてなされた放送法の制定趣旨をただし、臣民から主権者となった視聴者の放送法体制における地位を確定し、その権利と義務の真の意義をあきらかにする裁判だからである。
 この訴訟は、日本国憲法のもとで、市民に情報をあまねく提供し、民主主義に貢献するべき公共放送の責任を明らかにする役割を持つ。
 その上で、表現の自由(憲法21条、国際人権規約自由権規約19条)の享有主体である市民、視聴者とNHKが締結する受信契約における視聴者の権利をあきらかにしなければならない。
 戦前、NHKの前身たる日本放送協会を含むすべてのメディアがその役割を果たしえなかったばかりか戦争を賛美し国民を惨劇にむけて駆り立てた恥辱の歴史を顧みるとき、受信契約における視聴者の権利とはなにか、あるべきジャーナリズムと放送にむけていかに市民(視聴者)の声を反映させてゆくか、そのために受信料徴収のありかたがいかにあるべきかが真剣に誠実に追及されなければならないのである。
 訴訟にたずさわる当事者、放送関係者のいずれもが厳粛にその出発点を確認すべきであると考えるものである。

〈次の序章ではNHK受信料制度の根拠である「放送法」とは何かを論及しています。戦前の言論報道暗黒の時代への反省から生まれたのがこの放送法で、それは憲法の申し子とも言える精神に支えられていることを明らかにし、今回の法的督促という強制徴収がその精神に違反していることを明らかにしています〉

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2007年7月11日 (水)

NHK受信料裁判 併合審理がスタート!                 

 7月10日午後4時半より、東京地裁709号法廷でNHK受信料裁判の口頭弁論が行われま した。4時10分に抽選が行われるため、『創』編集部は6人も地裁前に並んだのですが、いささか拍子抜けしたのは傍聴希望者が意外に少なく、並んだ人が全員傍聴券をGETできたことでした。
 確かに民事訴訟の場合、傍聴席はガラガラなのが普通なのですが、この裁判の場合は社会的意義が大きいし、少なくともマスコミ関係の取材はたくさん入ると思ったのですが、44の一般傍聴席が埋まらない結果となりました。実は前回、大きな法廷に移してはどうかという提案も弁護団から裁判所になされ、裁判所としても果たして傍聴希望者がどのくらい来るか気にしていたようなのですが、何ともはや、でした。
 これはどうしてかというと、今の記者クラブ制に問題があります。この問題、本来なら 放送記者、NHK担当が追うべきテーマなのですが、実際に裁判をフォローするのは司法記者ということになっていて、はっきり言ってこの裁判の意義があまり理解されていないのです。前回、司法記者クラブで弁護団が会見をやったのですが、出てくる質問を聞いていると、この問題をきちんとフォローしている記者があまりいないようでした。

 ですから、昨日の裁判も、朝日新聞がきょうの朝刊でベタ記事で報道しましたが、どう 考えてもこれでよいわけはありません。最近の新聞・テレビはハデなテーマには必要以上に記者が群がるのに、今回のようなケースで取材がきちんとできてないというのは全くもって情けない限りなのですが、まあ愚痴っててもしようがないので、本題に入りましょう。ちなみに、昨日、傍聴席に来ていたマスコミ関係者は数えるほど。情けないなあ、ホントに。これじゃNHKが喜んじゃうよ。

 さて、昨日は3人の被告が併合審理になって最初の口頭弁論。裁判官が3人も並んでま した。民事訴訟としては大きな裁判になったわけです。被告の弁護団からは梓澤弁護団長始め6人が出席。NHK側代理人は3人でした。審理は約1時間でしたが、事前に提出されていた準備書面の要旨を弁護側が口頭で説明したのと、次回以降の進行についての双方の意思確認が行われました。準備書面に書かれた内容は、また改めて要旨をこのサイトで公表しますが、今後の弁護側の主張のアウトラインを示したものです。
 最初に説明を行ったのは梓澤さんで、戦時中の言論報道統制によっていかに事実が隠蔽されてきたか、戦後の放送法はその反省のうえに制定されたもので、放送における憲法の具現化といってよいものだ、と、まず「放送法とは何か」を憲法の理念との関わりで論じました。続いて2人の弁護人が順次、NHKの契約のあり方の問題点、あるいは今回被告となった3人のうち1人の場合は、契約も本人が交わしたものでないとか、この契約はNHKのあり方に異論があって離脱しようとしても一度契約してしまうと永遠に離脱できないシステムになっていることなど、受信料システムの問題点などを訴えました。
 それぞれの論点について今後双方で法廷を舞台に論戦が交わされることになります。次回の弁論は10月2日11時半から行うことになりました。昨日示された弁護団の見解についてNHK側は9月上旬までに反論を提出、それを受けて次回10月に弁護団のさらなる反論というふうに審理は進みます。その過程で必要とあれば証人を呼んでいく可能性もあります。

 さて、この裁判と並行して、先日、NHK側が法的督促の第3弾を進めており、これから対象を全国に拡大することを発表。一部で報道もされています。今のところこのやり方に頑強に抵抗しているのは今回被告となった3人だけで、このままではNHKはどんどん法的な恫喝を拡大していくでしょう。幸い、このサイトにたくさんの意見が寄せられ、自らも法的督促を受けている人からの連絡も寄せられています。
 改めて訴えておきますが、同じように法的手続きをとられた人は泣き寝入りするのでなく、このサイトに連絡を下さい。弁護団は無報酬で弁護を引き受ける方針ですから、今の3人と一緒に反論の輪に加わっていただきたいのです。元々NHKとしては、法的督促を受けた人はせいぜい滞納額も数万円ですから弁護士を雇っていては割りにあわないため、ほとんど抵抗もなしに恫喝が功を奏していくと考えてこのやり方を始めたはずです。ところが無報酬で弁護を引き受けるという弁護団が結成されたために、こうして法廷での全面論争に入ったわけで、この裁判にもっとたくさんの被告が加わり、大きな輪になっていくことが重要です。今裁判を受けてたった3人とも、単に金の問題だけでなく、NHKの今のようなやり方に納得できないと敢えて法廷で闘う道を選んだものです。
 この3人の意思を無駄にしないためにも、法廷をめぐる取り組みは重要で、そのためにはまず新聞・テレビがこの経緯をきちんと報道する必要があります。当方も知り合いの記者に声をかけてみるつもりです。NHK不祥事報道をあれだけやった新聞などはいったい何をやっているのか。情けない限りですが、ま、嘆いていても始まらないので、このサイトを見ている人もできる限り、力とアイデアを貸してくださるようお願いします。また、法的督促を受けて悩んでいる人、プライベートなことをそのまま公開できないと思うので、個別に相談が必要な場合は、別途メールを下さい。弁護団と間をつなぎます。
(以上文責=『創』編集長・篠田)

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